郊外に店をつくるということ

都市とは違う、お客さんとの関係のつくり方
郊外にお店を構えるとき、最初に理解しておきたいのが「都市とは前提がまったく違う」という事実です。
都市型の店舗は、駅前に集まる膨大な人の流れを前提にした商売ですが、郊外ではそうはいきません。人の流れが限定されるぶん、広く見える地域でも、実際の商圏は意外と狭くなります。
郊外型店舗の商圏は、半径1.5km〜3kmほどが一般的です。
徒歩ではなく車移動が前提になるため、地図上では広く見えても、実際には「5〜15分で来られる範囲」が商圏になります。
つまり、何も考えずに郊外に店舗を構えれば、その街に住む人たちの日常動線の中に入っているかどうかがすべてになります。

郊外店舗は「誰に来てもらうか」を最初に決める
郊外では人の移動が都市ほど多くありません。だからこそ、その地域に住む人たちの姿がそのままお店の売上につながります。
例えば、
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子育て世帯が多い街
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年配の方がゆったり暮らしている街
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若いファミリーが増えている新興住宅地
こうした違いが、そのまま「何を売るか」「どんな店になるか」を決めていきます。
都市型のように“歩いていたら偶然見つけてもらえる”ということはほぼありません。最初から「誰に来てもらう店なのか」を明確にしておくことが、郊外立地では欠かせません。

交通量よりも「入りやすさ」
郊外のお店でよく起きる失敗のひとつが、「車は多いのにお客さんが入ってこない」という問題です。
これは単純で「駐車場に入りづらい・停めづらい・出づらい」このどれかが原因になっていることがほとんどです。
郊外の商売は、
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信号の位置
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右折禁止
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中央分離帯
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出入口の角度
こうした“道路の事情”にも大きく左右されます。
派手な外観や大きな看板以上に、「車でスムーズに入りやすいか」が売上を左右するのが、郊外立地の大きな特徴です。

郊外店舗の強さは「地域とのつながり」
郊外で長く続いている店を見ると、共通しているのは地域の暮らしに溶け込んでいるという点です。
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休日の家族の外食先として選ばれている
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子どもの習い事帰りに自然と集まる
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近所の人同士が気軽に会話できる
お客さんひとりひとりとの距離感が都市型より近く、その“小さな積み重ね”が店の信頼をつくっていきます。
都市のように人を奪い合う競争ではなく、地域の人との関係を少しずつ積み上げていくことが、郊外での勝ち方です。郊外立地の魅力は、まさにここにあります。街と共に成長できる店づくりができるのです。
だから一番大切なのは、
「その街の人にとって、ここに店があって良かった」
と言ってもらえる存在になること。
それが、郊外型店舗の本当の強さであり、長く愛される店づくりの土台になります。

郊外型の店舗がうまくいく条件
まとめると、郊外立地が向いている店は次のような特徴があります。
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車で来るお客さんをストレスなく迎えられる
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店内の快適性や居心地に目を向けている
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地域の世帯構成(家族・年代など)と相性が良い
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流動客ではなく“住んでいる人”を相手にしている
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広い敷地を活かして、店の世界観をつくれる
郊外だからこそできることがあり、郊外だからこそ成立する店の形があります。

立地デザイナーに見てもらうと、何が変わるか
ここからは、実際に私たちが郊外型の立地診断レポートや現地調査で見ているポイントを、ひとつの例を通して紹介していきます。
今はインターネットで人口統計などのデータを簡単に手に入れることができます。さらに、そのデータをAIに読み込ませて質問すれば、かなりそれらしい答えも返ってきます。それだけでも、多くの場合は十分役に立つ情報になります。
それでもなお「プロに見てもらった方がいい場面」があるのはなぜでしょうか。一つは、「数字やAIの答えをどう解釈して、実際の店づくりに落とし込むか」という部分が、意外と難しいからです。
たとえば、料理に自信のあるオーナーさんが、郊外にある自分の店の立地についてデータを調べたとします。その結果、「50代の女性を多く集客できそうなエリアだ」ということが分かった、としましょう。
このとき、多くの方はまず「50代の女性が好きそうなメニュー」を一生懸命考え始めます。もちろん、それ自体はとても大切なことです。
ただ、そこで思考が止まってしまうのは、もったいないことなのです。
私たち立地デザイナーが入る場合、発想の順番が少し違います。
まず最初に見るのは、メニューではなく「その50代女性が、本当に入りやすいお店になっているかどうか」です。
・駐車場は、運転にあまり自信がない方でも入りやすい動線になっているか
・道路から見て、看板はきちんと目に入る位置と大きさになっているか
・お店の入り口の雰囲気は、50代の女性が「ここなら入ってみようかな」と思えるものか
こうした、「なんとなく入りづらい」「ちょっと不安だな」と感じてしまうポイントを、一つひとつ拾い上げていくところから始めます。
さらに、店内についても細かく見ていきます。
・看板のサイズや色合い、内装のトーンは合っているか
・テーブルの高さや椅子の座り心地は、50代の女性にとって負担にならないか
・メニュー表は、字の大きさやレイアウトも含めて読みやすいか
・50代の女性に来てもらうには、SNS広告が合うのか、地域のチラシやポスティングの方が向いているのか

こうしたお客さまとのあらゆる接点を、すべて『デザイン』として捉え、ひとまとめにして提案します。そのうえで、オーナーさんと一緒に「どこから取り入れていくか」を決めていくことになります。
私たちは『立地』を“場所だけ”ではなく、お客さまがその場所と出会ってから店内で過ごすまでの一連の体験として捉えているからです。
同じデータを見ていても、誰もが同じ結論にたどり着くわけではありません。一見、同じ数字や同じ風景を見ているようでいても、私たちには「解釈のしかた」を変えるためのノウハウがあります。見ているポイント自体もかなり異なります。
駐車場に停まっている『車の車種』や『ナンバープレート』から、商圏の広さや客層を推測するといったこともあります。
他にも、場所はまったく別でも「環境の条件」がよく似ているエリアで成功している事例を、多く知っているのも強みです。
たとえば、千葉県の郊外のベッドタウンで立地を検討しているときに、大阪の郊外で同じような環境条件でうまくいっている店の事例を引っ張ってくる、といったこともできます。
数字やAIの答えだけでは見えにくい、「現場の温度」と「お客さんの心の動き」まで含めて立地を読み解きたい方向けに、私たちは郊外型の立地診断というサービスをおこなっています。
郊外型立地診断でできること
郊外型の立地診断では次のようなことが明らかになります。
・商圏(車で5〜15分圏)の人口や世帯構成、生活パターンを整理
・「誰に来てもらう店か」をはっきりさせ、その人たちの日常動線の中に入れているかを確認
・信号・右折禁止・中央分離帯・駐車場の動線など、「車で入りやすく出やすいか」を細かくチェック
・その街の暮らしと店のコンセプト、メニュー・価格帯がきちんと噛み合っているかを見直すデータ
初回の立地診断の相談は無料で受けています。
詳しいデータ分析レポートや、店舗デザインの具体的な設計・相談は、内容に応じて個別に見積もるかたちになります。
費用の相場はコチラをご確認ください。

私たちができること
私たちは、店舗デザインを主たる業務とするところから始まりました。
そこから店舗デザインだけでは店舗を経営するオーナー様の思いを達成できないことに気が付き、より大きな経営の視点から店舗デザインに関わることを決意しました。
私たちは、店舗を経営するオーナー様と、お店が何十年も続き、複数の店舗も持つようになり、代替わりしても関わり続ける、パートナー関係を築くことを旨としています。
そのため、店舗の立地を分析し、店舗の最適な物件情報、店舗内装デザイン、メニュー表作成、SNS運用・広告などをお手伝いします。 物件取得から商圏分析、店舗コンセプト、収支シミュレーションまでを一気通貫で考え、「その店にとっての運命の場所」を一緒に探すことを仕事にしています。
お気軽にお問い合わせください。


