白井市の国道16号沿いでラーメン屋はどうやって成り立つのか?

立地分析:ラーメン「北海とんこつ らーめん純輝 白井店」
(千葉県白井市:白井駅から2384m)

千葉県白井市の北側を走る国道16号線。大型トラックや通勤車が絶えず行き交う幹線道路沿いに、赤と黒を基調とした看板が目に入ります。そこが「北海とんこつ らーめん純輝 白井店」です。

最寄り駅の白井駅からは2km以上離れ、徒歩で向かうには少し厳しい距離です。車で走っていると、大きなファサードと広い駐車スペースが視界に入り、「味噌ラーメンのお店だ」と一瞬で分かるロードサイド型の店舗になっています。

本店は茨城県潮来市にあり、神栖・八千代・白井の4店舗を展開する北海道味噌ラーメン系のチェーンです。濃厚な味噌スープとボリュームのあるトッピングで、家族連れからトラックドライバーまで幅広い層を集めています。

郊外の幹線道路沿いという、いかにも「ロードサイドラーメン店らしい」立地でありながら、評価サイトではエリア上位に位置し、口コミ数も多い店です。ここでは、白井市というベッドタウンの構造と、国道16号という交通インフラが、どのようにこの店を支えているのかを見ていきます。郊外でラーメン店や中価格帯の飲食店を検討する際に、ひとつの判断材料として使えるケースです。

立地面でのポイントを整理しておきます。

  1. 3km圏人口は46,351人、1km圏は4,622人が、このラーメン店を支える常住人口である。
  2. 年少人口比率は全国よりやや高く、生産年齢人口も6割弱と、子育て世帯と働き盛りの層が厚いエリアになっている。
  3. 3km圏の持ち家比率は80.74%と高く、2〜4人世帯が全世帯の67%ほどを占める安定したベッドタウンである。
  4. 3km圏で飲食店165店・ラーメン12店の中、総合ランキング1位・ラーメンジャンル1位という位置づけで、ラーメン市場の「代表選手」として機能している。
  5. 国道16号線沿い・昼間12時間交通量上り12,602台/下り12,170台という幹線道路立地で、駅距離の不利を車流動でカバーしている。
  6. 駐車場20台・30席というキャパシティと、1,000〜1,999円の価格帯は、「家族で外食」「ドライバーの食事休憩」という2つの需要を同時に取り込みやすい設計になっている。
  7. 公式サイトやSNSは存在するが、立地特性上「通りがかり+口コミ」で集客する色が濃く、WEBは補完的な役割になっている。
  8. 同じような郊外ロードサイドでラーメン店を検討する場合、「3km圏人口4万人台」「持ち家比率8割前後」「ラーメン競合10〜15店」「駐車場15〜20台」をひとつの目安として考えられるケースである。
郊外ロードサイドのラーメン店を見るための4つの問い
  • 駅から2km以上離れた国道16号沿いという条件で、ラーメン店はどのような客層に支えられているのか。
  • 3km圏人口46,351人、持ち家比率8割超という商圏構造は、中価格帯のラーメン店にとってどの程度の基盤になるのか。
  • 同じ3km圏にラーメン店が12店舗ある中で、どのようなポジションを確保しているのか。
  • 郊外ロードサイドでラーメン店を成立させるには、人口・立地・駐車場・WEB発信のうち、どの要素をどの程度重視すべきか。

1. 店舗基本情報

  • 店名:北海とんこつ らーめん純輝 白井店
  • 住所:千葉県白井市折立591-20
  • 最寄駅:北総鉄道・白井駅(駅からの距離2,384m)
  • 立地:国道16号線沿いのロードサイド型店舗
4.1

Google評価

3.55

食べログ評価

1/12

食べログ順位
(同ジャンル駅3kmk)

1/165

食べログ順位
(全ジャンル駅3km)

  • 営業時間:
    • 月:11:00〜15:00
    • 火〜日:11:00〜15:00/17:30〜21:00
  • 席数:30席(4人掛けテーブル5卓+カウンター席)
  • 駐車場:20台
  • 予算感:昼・夜ともに1,000〜1,999円(味噌ラーメンを中心としたメニュー構成)
  • ジャンル:ラーメン、つけ麺、餃子
【考察】
  • 営業時間は「昼+夜の二部制」で、深夜営業は行っていません。ドライバー向けの24時間営業型ではなく、「昼の外食」「夕食利用」が中心です。価格帯はラーメン専門店として標準〜やや高めで、セットメニューやトッピングを含めると家族利用でも使いやすいレンジです。
  • 席数30席に対して駐車場20台というバランスは、「1グループ1台」での来店を前提にした郊外ロードサイド型の典型パターンです。

白井店は、国道16号沿いに立地する「ファミリーとドライバーをターゲットにした中価格帯ロードサイド味噌ラーメン店」と位置づけられます。

2.商圏データと人口・世帯構成(ベッドタウン郊外の特徴)

店舗を中心とした立地に関するデータを(3km圏/1km圏)で比較します。

2-1. 人口・年齢構成(店舗から半径3km圏内)

項目 3km圏 1km圏
人口総数 116,626人 13,166人
年少人口(〜18歳) 14,947人(12.82%) 1,547人(11.75%)
生産年齢人口(19〜64歳) 69,352人(59.47%) 8,000人(60.76%)
高齢人口(65歳〜) 30,399人(26.07%) 3,369人(25.59%)
昼間人口 65,490人 6,691人
夜間人口 116,626人 13,166人
昼間人口比率 56.15% 50.82%
平均年齢 45.5歳 45.6歳
【考察】

3km圏人口は4万人台後半と、郊外としてはしっかりしたボリュームがあります。年少人口比率は全国平均よりやや高く、子育て世帯が一定数存在するエリアです。一方で高齢人口も3割弱と厚く、子どもからシニアまでが混在する「成熟したベッドタウン」の構造になっています。

昼間人口比率を見ると、3km圏は61.22%で、通勤・通学で外へ出る人が多いエリアです。1km圏は42.25%とさらに低く、夜間人口に対して昼間の在住者が少ない、典型的な住宅地といえます。昼の商圏は「周辺を走る車」と「近隣に残っている主婦層・シニア層」、夜は「帰宅途中の家族・会社員」が中心になる構造です。

→このエリアは3km圏に十分な人口を持ちつつ、昼間人口比率の低い「通勤型ベッドタウン」として、夜と週末に強いラーメン需要が見込めるエリアといえます。

2-2. 世帯構成・住宅・事業所

項目 3km圏 1km圏
一般世帯総数 47,354世帯 5,628世帯
1人世帯 14,016世帯(29.60%) 1,827世帯(32.46%)
2人世帯 14,310世帯(30.22%) 1,696世帯(30.14%)
3人世帯 9,139世帯(19.30%) 1,059世帯(18.82%)
4人世帯 7,264世帯(15.34%) 770世帯(13.68%)
5人世帯 2,026世帯(4.28%) 217世帯(3.86%)
6人世帯 438世帯(0.92%) 37世帯(0.66%)
7人以上世帯 161世帯(0.34%) 22世帯(0.39%)
住宅総数 46,182戸 5,117戸
持ち家 33,690戸(72.95%) 3,651戸(71.35%)
賃貸 9,913戸(21.47%) 1,291戸(25.23%)
事務所数 2,619(世帯比5.73%) 231(世帯比4.57%)
【考察】
  • 2〜4人世帯が合計67%ほどを占めており、「夫婦+子ども」あるいは「夫婦のみ」の世帯が多い構成です。持ち家比率が8割を超えていることからも、転居の少ない安定した住宅地であることが分かります。
  • 賃貸住宅比率は1割弱にとどまり、単身者向けアパートが密集するエリアではありません。昼夜問わず若い単身客を大量に集めるタイプのラーメン店よりも、「家族で車で行く」「夫婦で外食」「近所の常連が定期的に通う」といった使われ方が中心になりやすい商圏です。
  • 事務所数は全体の8%台で、オフィス街というほどではないものの、道路沿いの事業所や物流関連の事務所が一定数存在していると考えられます。この層は主にランチ帯の需要を形成します。

→世帯構成と住宅のデータから見ると「持ち家ファミリー層が軸で、事業所は補助的」という、ファミリー需要中心の郊外ベッドタウンといえるエリアです。

3. 郊外ロードサイド立地の特徴(アクセス・駐車場・周辺環境)

3-1. 幹線道路との関係・交通量

  • 国道16号線沿いのロードサイド立地
  • 昼間12時間交通量(推定)
    • 上り:12,602台
    • 下り:12,170台
  • 敷地内平面駐車場:20台
【考察】
  • 国道16号線は、千葉県北西部の物流・通勤動線として機能しており、昼間12時間で片側1万2,000台強の交通量があります。この店の前を日常的に通過する車の数が多いため、「看板を見て存在を知る」パターンが非常に多い立地です。
  • 駐車場が20台あることで、ピーク時間帯でも車での入店チャンスを確保しやすく、口コミにも「国道16号線を通るといつも目に入る」「通りがかりで立ち寄った」といった声が見られます。

→駅からの距離という弱点を「国道16号×高交通量×20台駐車場」でカバーする、典型的なロードサイド型の立地条件になっています。

3-2. 駅距離・徒歩圏の性格

  • 白井駅からの距離:2,384m(徒歩20〜30分程度)
  • 西白井駅からも2.7km前後と、いずれの駅からも徒歩圏とは言い難い位置にある。
【考察】
  • 鉄道利用者が徒歩で来ることは現実的ではなく、アクセス手段は自家用車か、同乗・送迎にほぼ限定されます。1km圏の人口が4,622人と決して多くないこともあり、近隣住民だけで成り立つ立地ではなく「車で3km圏から集める」ことが前提のポジションです。
  • その一方で、駅前の地代に比べて土地コストを抑えつつ、国道沿いの車流動にはしっかり乗れているため「駅前ではないが、交通量の多い道路に張り付く」という郊外型ラーメン店の定石どおりの配置ともいえます。

→徒歩圏の人口よりも、車で3km圏からの集客と国道通過車両を主なターゲットにした「車アクセス重視」の立地です。

4. ラーメン業態・価格・競合環境

4-1. 業態・価格と客層

  • 業態:北海道味噌ラーメン系の専門店(ラーメン/つけ麺/餃子)
  • 予算:昼・夜とも1,000〜1,999円
  • 席数:30席(テーブル席中心、カウンター有り)
  • 営業時間:昼・夜二部制、深夜営業なし
【考察】
  • 味噌ラーメンを中心に、ボリューム感のある一杯を提供するスタイルは「ガッツリ食べたい男性客」と「家族でしっかり食事をしたい層」の両方を取り込みやすい業態です。
  • 価格帯は千葉県郊外のラーメン店として標準〜やや上寄りで、クオリティとボリュームに対して納得感のある価格帯に収まっています。深夜営業を行わず、21時台でクローズすることで、深夜のドライバー需要を切る代わりに、スタッフシフトを昼・夕方のピークに集中させる設計と考えられます。
  • テーブル席が多い30席構成は、1台に家族3〜4人が乗って来店するパターンに合っており、国道16号沿いという立地と商圏の世帯構成(2〜4人世帯の比率が高い)との相性が良さそうです。

→「濃いめの味噌ラーメン×ファミリー対応の席構成×中価格帯」という業態設計は、このエリアの家族構成と車利用のライフスタイルにうまく噛み合っているといえます。

4-2. 競合環境とランキング

  • 食べログ評価:3.55(口コミ353件)
  • Google評価:4.1(クチコミ1,114件)
  • 3km圏飲食店総数:165店
  • 類似ジャンル(ラーメン)競合数:12店
  • 最寄り駅3km圏の総合ランキング:1位
  • 同ジャンル(ラーメン)ランキング:1位
【まとめ】
  • 飲食店165店・ラーメン12店という競合環境は、郊外ベッドタウンとしては「過密でも過疎でもない」ボリュームです。その中で総合1位・ラーメン1位という評価は、ラーメンジャンルだけでなく、周辺飲食全体の中でも「ここに行けば間違いない店」というポジションを取れていることを示します。
  • 口コミ数も多く、国道16号を利用する広域の利用者からの支持も取り込んでいると考えられます。郊外ロードサイドでは「ジャンル内トップの評価を持つ旗艦店」が1つあると、その周辺に他業態の飲食店やチェーンが集まりやすくなる傾向がありますが、純輝 白井店はまさにその役割を担っている店舗と位置づけられます。

→このエリアでは「ラーメンを食べるならまず純輝」というポジションを確立しており、ラーメンジャンルの牽引役になっているケースです。

5. WEB・口コミ・世界観

5-1. WEB・SNSの状況

  • 公式サイト:junki1998.co.jp(ブランド全体の情報を掲載)

  • SNS:

    • X(旧Twitter)アカウント「@ramen_junki」

    • Instagramアカウント(営業日やメニュー写真を投稿)

  • 店舗単独のブログや個別サイトは見当たらず、主なWEB情報はグルメサイトと口コミ投稿に依存している。

【まとめ】
  • 郊外ロードサイドのラーメン店としては珍しく、チェーンとしてのブランドサイトとSNSを持っていますが、更新頻度や情報量を見ると、「積極的なWEBマーケティング」というよりは「最低限の情報発信」に近い運用です。
  • 一方で、食べログ・Retty・エキテンなどの口コミサイトには多くのレビューが蓄積されており、その多くが「国道16号線沿いで前から気になっていた」「評判を聞いて来た」といった内容です。
  • 立地的に「通りがかり」と「口コミ検索」が主な来店のきっかけになっているため、WEBの役割は「存在確認」と「評判の裏付け」を与える程度で足りていると考えられます。

情報発信の主役は店舗発のSNSよりも、グルメサイトの口コミと国道沿いの視認性であり「WEBは信頼の補強材料」という位置づけのケースです。

6. 「らーめん純輝 白井店」の立地から学ぶ、ロードサイド出店のポイント

6-1. まとめ

このケースから、郊外でラーメン店・中価格帯飲食店を検討する際に一般化しやすいポイントを整理します。

  1. 3km圏人口4万人台+持ち家比率8割前後がひとつの目安
    • 3km圏で46,351人・持ち家比率80.74%という条件は、家族利用中心のラーメン店が安定的に成立しやすい構造です。
    • 同様の業態を別エリアで検討する場合、「3km圏人口4万人台」「2〜4人世帯比率6割以上」「持ち家比率7〜8割」をひとつの目安にすると、ファミリー需要を取り込みやすくなります。
  2. 1km圏よりも「車-3km圏」の人口を重視するロードサイド型
    • 1km圏人口4,622人・昼間人口比率42.25%という数値だけを見ると、徒歩商圏としては弱いエリアです。
    • しかし車-3km圏の人口と国道16号の交通量があることで、売上の土台を確保できています。
    • ロードサイド出店では「徒歩10分圏」よりも「車で10分圏(3km圏)」の人数と道路交通量をセットで評価することが重要です。
  3. 競合数よりも「ジャンルトップのポジション」を取れるかどうか
    • このケースでは、3km圏にラーメン店が12店ありながら、評価サイトで総合・ジャンルとも1位を取っています。
    • 「競合が多い=厳しい」ではなく「その中でトップ・上位の評価を取れるかどうか」が成立可否を分けます。
    • 出店候補地を見るときは「ラーメン店数」だけでなく、「上位店の評価」と「そこに割り込む余地」をセットで考える必要があります。
  4. 国道沿い×ファミリー商圏では、駐車場15〜20台がひとつの標準
    • 30席に対して20台の駐車場というバランスは、「1グループ1台」での利用を前提にした郊外型ラーメン店のひとつの標準形です。
    • 同じような国道沿いで出店を検討する場合「席数の6〜7割程度の駐車台数」を目安にすると、ピーク時の機会損失を抑えやすくなります。
  5. WEBは“攻め”よりも“信用の裏付け”として機能している
    • 通りがかり+口コミ検索で来店が決まるケースが多いため、「公式サイトで集客する」というより、「評価サイトで悪い印象を与えないこと」が重要になっています。
    • ロードサイド店では、写真・営業時間・メニュー・駐車場情報などの基本情報を漏れなく載せ、口コミへの返信や衛生面の印象づけなど「信用づくり」にWEBを使う発想が有効です。

らーめん純輝 白井店は「国道沿いロードサイド×持ち家ファミリー商圏×ジャンルトップ評価」という3つの条件がそろったケースであり、郊外ラーメン店の成立条件を考えるときのひとつの参考事例です。

6-2. 他エリアで出店を考える人や自店へのヒント

自店や出店候補地を検討するとき、次のような問いを投げかけると、このケースとの比較がしやすくなります。

  1. 自分の候補地の「車-3km圏人口」は何人か。その中で、年少人口・生産年齢人口・高齢人口のバランスはどうなっているか。

  2. 3km圏の持ち家比率と、2〜4人世帯の割合はどの程度か。ファミリー層を主要ターゲットにできる構造になっているか。

  3. 同じ3km圏にラーメン店(あるいは自店と同ジャンルの店)は何店舗あり、その中で「上位何位のポジション」を狙えそうか。

  4. 最寄りの幹線道路の交通量と、用意できる駐車場台数はどの程度か。ピーク時間帯の来店台数と照らして十分と言えるか。

  5. 「通りがかり」と「口コミサイト」のどちらが主な来店動機になりそうか。それに応じて、看板・ファサードとWEB情報のどちらに力を入れるべきか。

これらの問いを通して、自店の立地条件を整理すると、純輝 白井店のケースが「何が似ていて、何が違うのか」が見えやすくなります。

地図:
ストリートビュー:

売れている飲食店の立地分析

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